合同会社の仕組み・強み・注意点をやさしく解説!
- 裕次朗 江原
- 9月1日
- 読了時間: 4分

前回のコラム『「合同会社か、株式会社か」──“信用”が気になるあなたへ』では、会社形態の選択において重要な「信用力」の考え方に触れました。
今回はその続編として、「制度面」に焦点を当てつつ、合同会社ならではの特徴や注意点を整理してご紹介します。
制度から見る合同会社の仕組み
合同会社は、2006年に導入された比較的新しい会社形態で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとしています。
最大の特徴は、
出資者 = 社員 = 経営者
というシンプルな構造にあります。
株式会社のように所有者(株主)と経営者が分離されておらず、出資者が直接経営を行う点が制度上のポイントです。
💡豆知識💡
合同会社の「社員」ってなに?
株式会社で言う「取締役」のことを、合同会社では法律上「社員」と言います。
「社員」と聞くと、従業員さんや会社に雇われている方のことを想像してしまいがちですが、法律用語としての「社員」としては誤りですので要注意です!
合同会社などでの「社員」とは、あくまで出資をした人のことを指します。
そして、合同会社では、出資をした人(=社員)が経営に直接携わります。
「社員 = 従業員」ではありませんので注意しましょう!
合同会社『ならでは』の強み
合同会社の最大の魅力は、意思決定のスピードと柔軟性にあります。
ここでは、合同会社が持つ代表的な3つの強みをご紹介します。
① スピーディーで柔軟な判断
合同会社では、社員(通常は少数)全員が原則として業務執行権を持ちます。(なお、代表社員を定めている場合は、その代表社員が会社を代表します。)
株式会社のような株主総会といった複雑な手続きを経る必要がなく、社員同士の合意や代表社員の判断によって迅速に経営判断が可能です。
たとえば、市場の変化にあわせた新規事業の立ち上げや、取引条件の見直しなどもスピーディーに行えるため、実務でも競争力の源泉となりやすいです。
② 自由度の高い組織設計
合同会社は「出資者=社員=経営者」という構図のため、外部株主の影響を受けず、組織設計や利益配分を柔軟に決めることができます。
出資比率にかかわらず、実際の貢献度に応じた利益配分ルールを定款に盛り込むことで、社員のモチベーション向上や公平感の醸成にもつながります。
特に、士業や専門家同士の共同経営、フラットなチーム経営を志向するスタートアップにとって、大きなメリットです。
③ 役員任期の縛りがない
株式会社と異なり、合同会社には役員の任期という概念がありません。
そのため、役員の再任手続きや更新登記が不要で、手間とコストの両方を削減できます。
結果として、登記手続きの簡略化や管理の効率化が図れるため、長期的な経営に集中できる環境を整えられます。
注意すべきポイント
合同会社は柔軟な制度設計が魅力ですが、同時に注意すべき制度的な側面も存在します。
⚠ 信用面で不利に働く場面も
金融機関・大企業との取引において、未だ「株式会社の方が安心」と見られやすい傾向があります。
業種や取引先によっては、会社形態によって判断される場面もあるため、慎重な検討が必要です。
合同会社の信用面については、前回のコラムをご参照ください。
⚠ 出資者トラブルが直接経営に影響
合同会社では、出資者(=社員)が直接経営に関わるため、人間関係のトラブルが業務に直結します。
経営方針の対立や権限の不明確さが、事業の停滞につながるリスクも。
定款による業務執行権限の整理や、明確なルールづくりが重要です。
⚠ 外部投資家を迎えにくい
合同会社は株式を発行できないため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などの資金調達手段が限られます。
成長フェーズで外部資金が必要になった場合、株式会社への組織変更が必要になるケースもあります。
定款整備や株式会社への組織変更手続も
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【まとめ】
選択は、自社の未来像と照らし合わせて
合同会社は、コスト効率と柔軟性を兼ね備えた実用的な会社形態です。
しかし、すべてのビジネスに万能とは限りません。
自社の現状や未来像と照らし合わせて、適切な会社形態を選択しましょう。
たとえば、将来的な事業規模や資金調達の必要性を踏まえ、「合同会社でスタートし、必要に応じて株式会社へ移行する」という戦略も選択肢のひとつです。
「うちの事業は合同会社と株式会社、どっちが合っている?」とお悩みの方は、ぜひクロスワン・オフィスへご相談ください。
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