「合同会社か、株式会社か」──“信用”が気になるあなたへ
- 裕次朗 江原
- 8月18日
- 読了時間: 4分
〜合同会社でも信頼されるために必要なこと、教えます〜

「合同会社って、信用面で不利になることはあるんでしょうか?」
設立のご相談では、こんな質問をよくいただきます。
「設立コストが低い」「任期がないため再任登記が不要」といったメリットがある一方で、世間的なイメージや知名度から、株式会社に比べて信用面で不利になるのでは…と不安に思う経営者の方は少なくありません。
実は、これは少しもったいない勘違いです。
たしかに、合同会社は2006年の会社法改正で誕生した比較的新しい会社形態で、以前は株式会社の影に隠れて目立たない存在でした。
しかし、近年ではその柔軟性や効率性から、スタートアップや中小企業に広く支持されています。
政府の発表した統計によると、2023年に新しく設立された会社の約28.8%が合同会社というデータもあり、その存在感は増すばかりです。
本コラムでは、合同会社が信頼を得るために知っておくべきこと、そして実践すべきポイントを司法書士の視点からわかりやすく解説します。
なぜ「合同会社=信用に不安」という印象があるのか?
【固定観念】
「会社=株式会社」というイメージ
合同会社は比較的新しい制度のため、まだ馴染みのない方がいるのも事実です。
長い歴史を持つ株式会社のイメージが根強く、「会社といえば株式会社」という先入観が影響している部分も少なくありません。
【慎重な評価】
金融機関や取引先の視点
会社の信用を判断する初期審査の段階で、法人形態を確認するケースもまだ存在します。
【整備不足】
法的手続きの軽視
本来、信用力は会社形態により決まるものではありません。
しかし、合同会社は定款の公証人認証が不要なこともあり、「形式的な整備を後回しにしがち」なケースが見られます。
実際には、この「整備不足」こそが対外的な信用を損なう一因となっているのです。
信頼される合同会社になるためには
では、どのようにすれば「信用される合同会社」になれるのでしょうか?
信頼されるための第一歩は、会社の情報を適切に整え、正確に開示することからです。
具体的に見ていきましょう。
・定款と法的整備を充実させる
法的整備不足に陥らないよう、自社の定款等を定期的に見直すようにしましょう。
前述のとおり、合同会社は制度上、整備不足に陥りやすい会社形態ではあります。
ですので、逆にどれだけ整備されているかが、信頼性に影響します。
特に設立から時間が経つと、事業内容や組織体制が当初の想定と変わっていることも少なくありません。
こうした変化に合わせて定款等を見直し、現状に即した内容に更新しておくことは、スムーズな意思決定や契約遂行のためにも重要です。
・会社情報の“見せ方”を整える
会社の顔ともいえる会社謄本や名刺、ウェブサイトなどに記載されている情報は、常に最新かつ正確に保ちましょう。
商業登記法に基づき、会社名や所在地、代表者の情報などは、変更があれば速やかに登記手続きを行うことも必要です。
これを怠ると、法令遵守や管理体制への懸念を持たれてしまう場合があります。
正確な情報を公開することは、外部からの信頼感を維持する「基本のキ」です。
また、合同会社では株式会社の「代表取締役」に相当する肩書は「代表社員」です。
名刺やウェブサイトなどに、「代表取締役」と誤って表記してしまっている方がたまにいらっしゃいます。
こうした表記の違いは些細なことのように思えても、登記情報との整合性という観点では見逃せないポイントといえるでしょう。
≪まとめ≫
信頼性は「整備」と「姿勢」で決まる
「合同会社だから信用されない」という考えは誤解です。
信頼性を決めるのは会社形態ではありません。
会社の情報を正しく整備し、誠実な姿勢で事業に取り組んでいるか──これこそが信頼を得るための本質的な要素です。
合同会社であっても株式会社であっても、この基本は変わりません。
少しでも気になることがあれば、専門家と一緒に現状を確認してみることをおすすめします。
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※合同会社の制度的な特徴やデメリット、実務上の注意点などについては、次回のコラムでさらに詳しく解説予定です。
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